仕事上の用件で、会社を訪問する機会があるかもしれません。取引先の企業を訪問する際は、まず、アポイントを取る必要があります。自分が訪問するときはもちろんですが、まだ一人で訪問することがなくても、上司に同行する際に先方にアポイントメントをとっておくように指示されることがあるかもしれません。
このアポ取りの際に、もしあなたが失礼な対応をしてしまえば訪問する前から相手の印象を悪くすることもあり、商談などに影響を及ぼしかねません。先方に気持ちよく迎えていただくためにも失礼のないマナーを身につけておきたいと思います。今回の動画では、電話でのアポ取りのマナーについて考えてみましょう。
最初に電話をかけるときは緊張するものです。しかし良い準備をして電話かけるなら、ある程度不安を取り除くことができます。ですから、アポを取る時には、いきなり電話をかけるのではなく、まず準備をしてから電話をかけます。
アポ取りの準備
では、何を準備すればいいでしょうか?
まず、アポをとるタイミングですが、遅くとも1週間くらい前には電話をしてください。
いきなり「明日時間はありますか」といっても相手を困惑させてしまいます。もし急な用件でお会いする必要があるときは、「急なスケジュールで申し訳ないのですが」とひと言謝って、希望の日程を伝えてください。
次に、メモや筆記用具、自分のスケジュール表、訪問する目的などを書き出したメモを準備しましょう。「電話をかける前に予め要点を箇条書きで」まとめておくことによって、相手の時間を無駄にしないようにすることができます。また、特に複数の用件がある場合は、伝え漏れがないように用件をメモしておきましょう。
もし先方と細かい内容について話す可能性があるなら、説明するための資料なども準備しておいてください。
また、訪問する希望日時をいくつか書き出しておいてください。
緊張するのであれば、一通り頭の中でどのように話を進めるか考えて練習をしてから電話をしてみてはどうでしょうか?
電話をかける時の注意点
これらの準備ができたら実際に電話をかけるわけですが、電話をかけるタイミングも重要です。朝一番は仕事の準備で忙しい可能性が高い時間です、始業前や、始業してから30分以内に電話をかけることは基本的にはマナー違反と見られます。また、お昼休みは業務時間ではないので当然ですが、お昼休み前後の30分の電話も避けてください。業務の切り上げや再開の時間帯であるため、落ち着いて対応できない場合がありますし、対応によっては相手の休み時間を奪ってしまうことにも繋がります。
同様に、相手の会社の終業時間前も、電話をかける時間帯としては相応しくないかもしれません。仕事を終える前で忙しくしているかもしれませんし、帰宅前の準備の時間を奪ってしまう場合もあります。ですから遅くとも終業時間の30分前までには電話をかけるようにしましょう。ベストな時間帯として、午前であれば、1日の仕事を始めてから少し経った午前10時から11時ごろ、午後であれば、昼食を食べ終え、落ち着いた頃である午後2時から3時ごろがふさわしいと思います。
また、月曜日や月末などは業務が忙しかったりするかもしれないので、相手のことを考慮して、電話をかけてください。
相手の会社の人が電話に出たら
相手の会社の人がが電話に出たらまず、気持ちを落ち着かせてください。
そして、社名と自分の名前を名乗りましょう。
「〇〇〇〇(会社名)の〇〇(自分の名前)と申します。いつも大変お世話になっております。
社名と名前を告げたら、取り次いで欲しい相手の部署名、名前と肩書きを伝えます。
〇〇部(相手の所属部署名)の〇〇様(相手の氏名や肩書)はいらっしゃいますでしょうか」
取り次いでいただき相手が電話に出たら「〇〇〇〇(会社名)の〇〇(自分の名前)と申します。と自分の社名、部署名、氏名を名乗ります。
その際、前後いずれかふさわしい方に、「いつも大変お世話になっております」とか「先日は〇〇の件でありがとうございました」などお礼の挨拶を添えることができます。
その後、「◻◻の件でご連絡させていただきました。今、お時間〇分ほどよろしいでしょうか?」のように述べて簡単に要件と相手の都合を確認します。
電話での注意点
その際よくビジネスの電話で、もしもしという言葉を使う方がいます。その語源を調べると「もしもし」は「申します、申します」を略した言葉で、もともと略語は若者が多く使うこともあって、若者言葉だと認識されていました。 ですから、「もしもし」はカジュアルな言葉で砕けたイメージがあるので、ビジネスシーンでは使う事は相応しくありません。
ですから、ビジネスの電話では、「もしもし」と言わないようにしてください。この点、普段プライベートの電話でも「もしもし」を使わない習慣を身につけるなら仕事でも意識することができてくるので試してみてください。
また、よく、籠もったような声で電話をかけてくる方もいますが、やっぱりハキハキと明るい声で電話がかかって来たときのほうが、聞き取りやすいですし、電話を受けている側にとっては気持ちが良く好感度も高くなります。
ですから、普段話すよりも明るく、声のトーンを少し上げて元気にハキハキと喋ってください。何とかアポを取らないと!と焦っていると早口になるかもしれません。そうならないように落ち着いてゆっくりと話すよう注意してください。
また、最初にハキハキと喋りだすとその話し方が電話中ずっと持続しますので最初に必ず心がけてください。
約束を取り付ける
そして、実際に約束を取り付けますが、アポ取りは会う約束を取り付けるために電話をかけているので、話が長くならないようにできるだけ簡潔に用件を伝えてください。
もし、ダラダラ話すなら相手の時間を余計に奪ってしまうだけなので、事前にメモにまとめておいた用件をなるべく短く簡潔に相手に伝えます。
相手と約束できることが決まったら、相手の都合を聞いてください。
可能であれば、相手の都合に合わせます。もし先方が「いつでもいい」というような返事の場合はこちらから、いくつか候補を出してどの時間がご都合よろしいでしょうか?と日時を提案してください。
アポイントメントがとれたら、必ず復唱をして確認すると同時に必ずメモを取ってください。
場合によっては、相手と会える約束はできたものの、どうしてもこちら側と相手側の日程の調整がつかないという場合もあるかもしれません。
その場合は、こちら側がお願いしているわけなので、先方の日程に会わせざるを得ないのですが、同行する上司などの予定を確認しなくてはならなくて、すぐに決めることができない場合もあります。
そのような場合は、「申し訳ありませんが、再度調整してみて、ご連絡させていただきます」と告げて電話を一旦切って、同行する上司と予定を確認してください。その際、先方への返事は可能な限りできるだけ早くしてください。
そして最後は、お礼とともに電話を切ってください。
電話を切る際、最後はどうしても相手の印象に残りやすいので気を抜かないようにしましょう。その際「お時間を頂きましまして、ありがとうございました。それでは失礼いたします」ということができます。
アポ取りはビジネスの基本
先方と何かを行うときは、相手と会って話すところからスタートではなく、事前にアポイントをとるところからスタートです。
ですからこれまで考えてきたように電話で良い印象を持ってもらい、用件をスムーズに進められるようにしたいと思います。
アポ取りはビジネスの基本の一つですが簡単ではない業務です。上司に頼まれたとしても、たかが頼まれた雑用などと思わずに、もし自信がないなら何度も練習するなど基本をマスターして経験を積んでいってください。