毎日やるべき仕事をこなす中で、やりたくない仕事を、後回しにしてその場のストレスから逃れようとしたり、放置しておけば、やらなくて済むのではないかというありえない期待をしてしまうことがあるかもしれません。
仕事を後回しにする影響
もし、やらなければならない仕事を後回しにすると、どのような影響があるでしょうか?
ストレスとなる
後回しすることによって、常に「いつかやらなければいけない」というストレスを感じ続けなければなりません。そして期限が迫れば迫るほどそのストレスは大きくなってきます。それによって仕事のパフォーマンスを下げてしまう場合もあります。
迷惑を掛ける
また、自分ひとりで行っている仕事は他の人に影響を与えることはないかもしれませんが、他の人と協力して行う仕事やプロジェクトなどチームで動く仕事は関係者に影響を与えることがあります。自分が後回しにした仕事により、他の人の仕事に遅れが生じることがあれば、その人の仕事を遅らせてしまうだけでなく、その人の仕事を待って仕事をする人にも影響が及び結果大きな悪影響を与えかねません。
信頼を失う
また、顧客など相手がいる仕事などでは、相手のあなたに対する印象を悪して信頼を失うかもしれません。特にクレーム処理などの前向きではない仕事に対しては、すぐに手を付けることを躊躇したくなるかもしれませんが、後回しにすればするほど相手の感情をさかなですることにつながりません。
ですから、社内であれ、社外であれ、後回しにするということは、このように周りに迷惑をかけてしまうことになりかねません。そして結果として周囲からの信用を失う可能性があります。そうなれば、思うように仕事が進まなくなるのはもちろんですが、職場での立場も悪くなり仕事がしにくくなってくるかもしれません。
仕事を後回しにしてしまう原因
では、なぜ後回しにしてしまうのでしょうか?
それにはいくつかの考え方が関係しています。
楽観的な考え
その一つは、今が良ければ、後のことを考えないという思考です。
普通の人は仕事の優先順位を考えて、やりたくない仕事であっても、優先順位の高い仕事から行っていきます。しかし、今が良ければ後のことを考えないという思考が働くとむずかしい仕事などやりたくない仕事を後回しにして、簡単な仕事から手をつけるようになります。
また、先延ばしにしても「どうにかなるだろう」という楽観的な考え方も影響します。
難しくて手を付けたくない仕事であっても、締め切り前にはその仕事をやり遂げなければなりません。もし、後回しにしたとしても、状況は変わることはありません。しかし、楽観的な考え方は、根拠もないのにやり遂げられるという甘い考えを持たせて、後回しにさせることにつながります。
他にも要因があります。
仕事に対する動機づけがない
どのような仕事を後回しにしてしまいがちでしょうか?
難しい仕事や、面倒くさい仕事ではないでしょうか?
なにか物事を始めるときには、大なり小なりエネルギーが必要です。
特に難しい仕事や面倒くさい仕事などは、簡単な仕事に比べて行動を起こすために多くのエネルギーが必要になります。仕事を行う明確な動機づけがないと、このエネルギーを得ることができず、行動を起こすことができません。
動機づけが得られない原因は、仕事に対する責任の感じ方や関心の深さに左右されます。ですから、仕事に対する責任感がないと安易に仕事を先延ばしにしてしまうことにつながるかもしれません。
また、責任感がないと、後回しにしている罪悪感をあまり感じないのでより問題が先延ばしになる可能性があります。
ここまで、仕事を後回しにする原因を考えてきましたが、多くの場合その原因は自分の考え方にあるかもしれません。
仕事を後回しにしない方法
ではどうしたら、後回しにすることをさけることができるでしょうか?
原因は考え方にあるので考え方を変えるしかありません。
先延ばして仕事にすぐに取り組めない人の多くは、仕事の計画を立ることをしません。
それだけでなく、ストレスを感じたくないために、その仕事のことを考えることさえ拒否をするかもしれません。
そうならないためには先送りしてしまう前に、やる気を起こすことが大切です。
まず行動を起こす
物事を行おうとするとき、その仕事に関して考えすぎてしまうために「面倒くさい」「煩わしい」という感覚になります。そしてその気持が大きくなると、やる気を失い行動を起こせなくなります。ですから、やる気を失う前に行動に移せばいいわけです。
やる気を起こして、やらなければいけないことを先延ばしにしないためには、悩む前にまず手を付けてみることが助けになります。
そうすることによって、最初に踏み出せなかった一歩を踏み出すことによって、考えていた不安を感じることがなくなりその後の行動を起こしやすくなるでしょう。
分割した計画を立てる
また、一つの大きな仕事を分割して小さな仕事に分けて計画を立ててみることも助けになります。大きな仕事に対して圧力を感じ不安な気持ちを持つかもしれません。しかし、その大きな仕事を細かいタスクに分けてそれぞれ一つづを簡単な仕事にしてしまえば消極的な考えを取り除くことができるかもしれません。そしてその細かく分割した仕事にやり終える期限を決めてください。そしてその期日も余裕を持ったものではなく短めで設定することで意識することができるでしょう。
このように努力してみることには価値があります。
後回しにしないとどのような益があるか?
まず、冒頭で述べた後回しすることによって感じていた「いつかやらなければいけない」というストレスから開放されます。
また、同僚や顧客などに迷惑をかけたり信頼を損なうことがなくなります。
ですから、後回しをしなくなると、気持ちが楽になります。
また、結果、不必要な残業が少なくなったり仕事自体も楽になるかもしれません。
もちろん体調が悪かったりタイミングが悪かったりなど、どうしても都合の悪い場合は仕方ありませんし、別の重要な案件を行う必要があり、余裕があるときに後回しにした方が良いこともあるかもしれません。しかし、そうでなければ、後回しすることを考える前に、まず、手を付けることから始めてみましょう。